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    「ふむ、トンネルのハッパだな」

    「うん、うん。あ、さうだ、顔を一寸洗はなくちや」

    「あら!」

    「はゝあ」

    「まさか!」

    「よし!」

    「それで、近く片づきさうなんですか」

    「ふむ、さうすると――」

    道平は納得したやうにうなづいたが、又ゆつくり身体を坐りなほすのと一緒に、

    道平が口をうごかせるまでには随分手まどつた。

    房一は、犬を制した。ところが感ちがひしたジョンは堤防の方へ大急ぎで走つて行つたが、房一と徳次の二人がそのまゝ河原にしやがみこんだのを見ると、又一目散に戻つて来、まはりの草の中を嗅いで見、二人を眺め、一向に動きさうもないと知ると、石ころの上に腹を着けて長い舌を出した。が、急に尻尾を振つた。二人が彼の方を向いたからである。

    「どういふことでせうね、まあ!」

    どういふ加減からか、それを云ふ時、相沢はぐつと又相手の顔をのぞきこんだ。それは何となくもつたい振つた、重々しい様子だつた。

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